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疑問にも思わなかった。

今、矢口敦子著『償い』という本を読んでいます。初版は5年前なのですが、ずっと読もうと思っていて時間が経ちすぎました(汗)。

ある医師が主人公で子供の病死と妻の自殺に絶望し、ホームレスになり街を放浪して、様々な事件に出くわします。主人公は探偵めいたことを頼まれて、色々と行動する。
まだ途中までしか読んでいないのですが、私が印象に残った場面があります。


ある女性が殺され、その向かいに住む容疑者の男性の妻に話を聞きに行くところ。主人公は家に上がってその妻と、罪と罰について話します。

その妻によれば「肉体を殺したら罰せられるのに、心を殺しても罰せられないのはあまりに不公平だ」とのこと。主人公は「肉体が傷ついたら第三者からも明らかだから、裁く基準になるけれど心は透視できない」と言います。

しかし妻は「心が致命傷を受ければ癒えずに、心はそのまま死んでしまう。心も体と同じ材料でできている。」と反論するのです。


私はとても驚きました。一応法学部の3年で、昨年は刑法を2つ履修したけれど、このようなことは考えたこともなかった。名誉を傷つけられたり、侮辱されたら(そのままですが)名誉毀損罪、侮辱罪として裁判にかけられます。

専門的な話になりますが、刑法199条の殺人罪は肉体を殺めた場合に適用となります。人の心を壊して殺しても、肉体が生きていれば殺人罪になりません。


まだ休みぼけが続いている脳ですが(汗)、一気に目覚めました。

それと同時に、法律は完全なものではないと強く実感させられた。この本に出合えてよかったと思う。
投稿者 トマトロケット 11:30 | コメント(0)| トラックバック(0)
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